中国の、深刻化する不動産不況の影響は?

2023年08月30日

中国の不動産危機が正念場を迎えています。最大手の「碧桂園」がデフォルト(債務不履行)寸前に

陥り 又、経営再建中「恒大集団」の債務超過額が約13兆円に膨らみ 負債総額は約48兆円にのぼり

販売の目途がつかないまま抱える開発用地が約22億円だぶつく・・など中国の不動産不況の現状を

新聞、テレビなどメディア各社が連日に渡り大きく報じています。

 

中国では2008年の北京オリンピックや2010年の上海万博の頃、都市部では雨後の竹の子の如くに

高層マンションが建ち並び倍々ゲームの勢いで不動産市況が過熱し、高騰してきました。

 

今回の不動産不況のキッカケは、2020年にこれ以上不動産バブルが過熱しないように、政府が

不動産業者への融資を規制したことに加え、ゼロコロナ政策に伴う景気悪化が拍車をかけ新築の

住宅価格が下落しはじめ昨今の状況を迎えています。日本のバブル崩壊時の政策を学習してのこと

なのか否か?分かりませんが、今や負のスパイラルに陥っています。

 

中国の不動産業界は建設業界などを含め中国のGDPの約3割をを占めるといわれており、今回の

不況は中国経済全体に大きな影響を及ぼすと指摘されていますが、これは「対岸の火事にあらず」

日本の対中貿易取引は輸出入総額で44兆円近くに上り、貿易全体の2割を占める貿易相手国でも

あるだけに日本経済にも大きな影響をもたらすのは必至であり、先行きが懸念されています。

 

それにしても、中国の不動産取引のルール、法整備はどうなっているのでしょうか?

日本であれば、物件の引渡しと、その代金授受は同時に行うのが大原則であり、未完成物件では

手付金等の保全措置を講じたあと保険証券等を買主に発行することが義務付けられています。

保全措置を講じない時は、手付金など(中間金も含む)は代金の5%以下、かつ1,000万円以下

と、法律で義務付けられています。

 

中国では、建設設計段階で販売を開始し、完成前にローン実行、全額決済を行うのが普通である

とされていることから、テレビなどで、購入者が工事途中のマンションに住み着いている映像を

何度も目にしたことがあります。このような、ローン返済は始まっている未完成物件が数多く

どう解決するのでしょうか?泣き寝入りのままで終わってしまうのでしょうか?

 

中国では不動産取引の法整備や行政による業者への管理監督はどうなっているのか?

政府、行政当局はこの先、どう対処していくのか見ものです。