"正常と異常”"常識と非常識”の境目は?
2023年11月10日
「金利のある世界」という言葉を最近よく見聞きするようになってきました。それは言うまでもなく
日銀によるマイナス金利政策の解除を含む長期緩和の転換に向けてのもので、10年以上続いてきた
「緩和政策の転換」を『正常化』とも表現されていますが、この金融緩和政策を『異常』であると
認識しての発言、言葉であり、10年以上もの長きに渡って『異常』を続けていたことになります!!
我々の年代の者は、現在の金融緩和は『異常』と認識していますが、20~30才の若者は社会に出た時
から既に金融緩和の中で育っており、金融緩和政策は『常識』となっていると思われます。
それにしても、『正常化』は何時になるのやら、当分まだまだ続くのか?それともそろそろ来春には
『金利のある世界』に戻るのか?日銀の植田総裁も難しい舵取りを迫られています。
では常識と非常識とは?『 "常識”とは ”非常識” が積み重なりそれが大多数となった時である 』・・
・・・の言葉は本田技技研工業の創業者で、本田宗一郎社長が発した言葉です。
ホンダが”N360” という、初の量産乗用車を発売した当時に営業マンとしてホンダに勤務していた
当時、N360の販売会議で、本田社長が名古屋支店に来られた席での発言です。
発売当初の車のカラーは ”ホワイト” "ブルー" ”レッド” の3色でした。・・・が当時の乗用車
で 赤色 は全くなく、「赤色の車は消防車とホンダN360だけ」とよく言われました。この赤色に
ついて、「世間ではN360の赤色を非常識と言っているそうだが、そのうちに赤色の乗用車が
増えてきたら、レッドカラーも常識となる」・・・本田宗一郎社長の言葉を思い起こしました。
今でこそ、赤色の車種を多く見かけますが、赤色が定着するまでには数十年を要しましたが、
今や、常識となっています。
正に非常識が大多数となれば、それが常識として通用することに!
身近かなところで、私が創業した半世紀前、カタカナ社名は見当たらなかったのが今では当たり前
となっており、服装も然り、あらゆる分野で常識は時代と共に変化してゆくものです。
ですから、何事にも常識にとられれることなく柔軟な発想を大切にすべきかと思います。