「虎に翼」と名古屋の重要文化財建造物とは
2024年08月25日
放送中の NHK朝ドラ「虎に翼」のモデルでもある日本初の女性弁護士の一人となった”三淵嘉子さん”
この三淵さんは昭和27年(1952年)から3年5カ月の間、名古屋で、初の女性判事として名古屋地方
裁判所で実際に勤務しておられました。
当時三淵さんが勤務していた名古屋地方裁判所は大正11年(1922年)に名古屋控訴院・地方裁判所
区裁判所として建設され、その後の名古屋高裁・地方裁判所が昭和54年(1979年)現在の中区丸の内
に移転するまではこの地方における司法の中心でした。
この建物はネオ・バロック様式で造られた華やかな外観やステンドグラスのある中央階段や漆喰塗り
マーブル塗りなどの、高度な技術が残されていること、煉瓦と鉄筋コンクリートを併用した構造から
近代建築の技法がうかがえるとして、国の重要文化財に指定されました。
先の大戦で名古屋の街の大半はは焦土と化した中にあって、市政資料館の西側の名古屋市役所本庁舎
【昭和8年(1933年)建築】と愛知県庁本庁舎【昭和13年(1938年)建築】は、名古屋地方裁判所と
共に戦禍を免れ、国の重要文化財の指定を受けています。
旧名古屋地方裁判所は市政資料館として、名古屋の公文書館として名古屋の市政誕生から今日に至る
までの行政文書や資料を保存し公開展示しているほか、市民の集いの場として提供されています。
名古屋市役所本庁舎はこれまでにも映画テレビなどの撮影で使われてきました。 今回のドラマでは
市政資料館は東京編で東京地方裁判所として使われましたが、名古屋市役所でも学生が通う大学の校舎
として使用されたり、鶴舞公園など、名古屋各所で撮影されていたようです。
ロケ地となった市政資料館では4月から7月までの4カ月間で7万人を超える見学者が訪れ戦前の法廷を
再現した部屋など人気を集めていると報じられています。
昨今、各地の県庁、市庁舎といえば東京都庁を筆頭に斬新な近代的建物へと建替えている中にあって、
箱モノのビルではなく、高度な建築技法を駆使した上に、荘厳な佇まいを今に伝える国の重要文化財
でもある3棟の建造物は、地元名古屋が誇るべき遺産の一つである。と自負しても良いでしょう!!